※9月29日、岸田文雄氏が総裁選に勝利し、菅義偉総理の後を継いで第27第総裁に選出されました。
この記事の「次期総裁ランキング」としての性質は失われてしまいましたが各総裁候補の情報については簡潔にまとまっている為、岸田氏を含めたかつての候補たちについて知るには今なお良質な記事になっていると思います。
菅義偉総理が辞任の意向と総裁選にも立候補しないことを表明しました。突然の表明により各所に混乱を巻き起こしていますが注目は既に次の総理、「菅義偉総理の後任」に集まっています。
菅義偉総理の後任は誰か? 候補に挙がっている者は複数人いますが、今回は特に注目されている3人を紹介、解説します。
ここで紹介する菅義偉総理の後任候補3人とはすなわち岸田文雄、河野太郎、そして高市早苗(以上敬称略)。
彼、彼女が総理となれる可能性とはいかほどか?情報をまとめて最後に解説を付けたランキングも発表します。
菅義偉総理の後任は誰?3人の候補
菅義偉総理が2021年9月3日、辞任と総裁選に立候補しない事を表明しました。
菅 義偉 @sugawitter より画像引用
辞任と総裁選不出馬の是非については世論や今後の歴史の流れにまかせるとして、問題は菅総理の後任が誰になるのか?という点。
当たり前ですが、今、次の総理を目指すならば総裁選に出る必要があります。2021年9月3日現在、正式に総裁選へ出馬の意向を表明しているのは岸田文雄氏と高市早苗氏の二人と、
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「菅義偉氏が立候補している限り立候補しない」逆に「菅義偉氏が出馬しないなら立候補も検討する」と報道された河野太郎氏。以上3人が現状有力な菅義偉総理後任候補と注目されています。
今回の記事は3人の総理後任候補について紹介、解説していく記事となっています。では次の項目から順に観ていきましょう。
菅義偉総理の後任候補1:岸田文雄
菅義偉総理の後任として現在、候補中最も可能性が高いと噂されているのが岸田文雄氏。
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総裁選への公約に「来年の春まで見通せる確かな数十兆円規模の経済対策」をあげており、昨今の情勢を鑑みて、岸田氏の公約に心惹かれる国民も少なくないでしょう。
また、総裁を除く党役員の任期を「1期1年、連続3期まで」と定めた政策を掲げ、自民党を若返らせるとも宣言しています。
この「1期1年連続3期」の政策は一部で歴代最長の在任期間(2016年8月3日から5年以上)を誇る二階幹事長を意識しての政策とも言われており、岸田氏本人は「特定の方を念頭に入れたものではない」と否定しているものの、実質的にアンチ二階幹事長の御旗のような扱いをされていました。
二階幹事長は永田町の絶対的権力者である分、彼を敵視する勢力も多く、そうした層からの支持を受けられると思われます。ただ、このアンチ二階幹事長ともいえる政策はつい最近まで実質的に無効化されていました。
“二階幹事長交代”党内は冷ややか「大負けする」(2021年8月31日)|ANNnewsCH より引用
というのも、二階幹事長は菅総理に自身の交代を容認する考えを明らかにしていた為。これにより、岸田氏の政策は効力を落とし、総裁選の勝率は低いものとみられていました、つい先ほどまでは。
菅 義偉 @sugawitter より画像引用
菅義偉総理が総裁選へ立候補しないことを表明されたことで一気に風向きが変わったのです。
菅総理に許されていた二階幹事長の交代権も白紙に戻った今、総理の後任候補で最も総裁選を勝ち抜く可能性が高い人物こそ岸田氏だ、という言説もあながち間違いではないでしょう。
菅義偉総理の後任候補2:高市早苗
一部ではダークホース的扱いをされている高市早苗氏。もし彼女が菅義偉総理の後任として候補から実際に総理の座に駆け上った場合、日本初の女性総理ということになります。
余談ですが現在のアメリカ副大統領カマラ・ハリス氏は女性初のアメリカ合衆国大統領になることを期待されており、その点で高市氏と重なるところがあります。
気になる方は上記の名前からリンク先に飛ぶと、当サイトで以前カマラ・ハリス氏に関して特集させていただいた記事にたどり着きますので、どうぞご覧になってください。
閑話休題。さて、本題に戻ります。
高市早苗 Wikipedia より画像引用
高市氏が打ち出したいと考えている政策はなんと「ニューアベノミクス」。安倍晋三前首相の路線を引き継ぐ形で新たに検討した政策とのこと。
高市氏はこれを「サナエノミクス」とも呼んでいます。
アベノミクスが
1「大胆な金融緩和」
2「機動的な財政出動」
3「民間活力を引き出す成長戦略」の3本柱だったのに対し、
サナエノミクスは
1「大胆な金融緩和」
2「緊急時の財政出動」
3「大胆な危機管理投資、成長投資」だという。
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「大胆な金融緩和」に関しては同一だが、ニューアベノミクス(サナエノミクス)の2「緊急時の財政出動」は災害などの緊急時に迅速な大型財政措置をすることに限定。機能を限定することでより効力をあげる狙いがあるのでしょう。
最後の3「大胆な危機管理投資、成長投資」については長いので以下に引用しました↓
アベノミクスの3本目の矢の「成長戦略」というのは、どちらかと言うと改革でした。民間活力を引き出すということで、規制緩和して生産性の高い企業に労働や資本を流れやすくさせるという改革だったのです。「成長戦略」を「成長投資」に高市)私の方は、これを「投資」に変えます。リスクを最小化にするための投資をしっかりとやれば、そこで新しい産業も生まれます。サービスであれ、インフラであれ、いろいろなものが生まれて来ます。世界共通の課題に対応するような危機管理投資にすれば、それをそのまま輸出できますので、明らかに成長投資になります。この辺りがアベノミクスと比べて変わる部分です。
高市早苗前総務大臣が意欲を語る ~ニューアベノミクスとも言える「サナエノミクス」が「日本経済強靭化計画」|ニッポン放送 NEWS NLINE より引用
高市氏の政治思想は保守。安倍前首相の意思を継ぐ者として、菅義偉総理になって以降失われたと言われる保守層の支持を得られるのではという期待もかけられており、岸田氏に劣らぬ有力な候補だと言えます。
菅義偉総理の後任候補3:河野太郎
日本の議員の中で恐らくTwitterの扱いが一番うまいと思われる河野太郎氏。若者からの指示も多く、総裁選でそれがどう働くかはわからないにせよ、一般にはかなり親しまれている人物。
河野太郎の提案「年金と若者」シリーズ2 若者と厚生年金|KonoTaroGomame より引用
自身のYouTubeチャンネルも持っており、登録者数はなんと2021年9月3日時点で19万6千人! 下手な専業YouTuberより余程多い登録者数です。この点からも若い世代から支持を受けている事がわかるでしょう。
日本経済新聞社の世論調査で「次の政権の首相にふさわしい人」を聞いたところ、河野太郎規制改革相がトップの25%だった。菅義偉首相は6%で5位だった。
上記に引用した記事のように、日本経済新聞社の2021年2月に発表された世論調査では次の首相にふさわい人物に菅総理を抑えて一位に輝いている。
自民党内でも若手を中心に支持されていると報道されており、菅総理の後任候補の中でもある種最も進歩的な視点を持っていると言えます。
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河野氏の政策は上の高市早苗氏のようにわかりやすく3つにわけることが出来るものではないが、かねてより消費税増税には賛成し軽減税率制には反対の立場をとっている。
また、「国内産業の生産性を上げるため規制緩和による競争が必要」と主張し、厳しいながら現実的で実利を求める視点を持っています。
追記2021年9月17日
河野氏が正式に総裁選へ出馬を表明し、公約の概要を10日に公開しました。
それによると現実的なエネルギー政策を掲げており、「ではどうするのか」というと、その手段の概要は以下の通り。
先日の出馬会見では、「安全が確認された原発を再稼働していくのが現実的だ」と、安倍・菅政権時代と変わらぬ原発温存路線を踏襲した。
「原発再稼働、現実的」…河野太郎氏は「脱・脱原発」? 近しい自民議員取材応じず、野党議員「変節と感じない」|東京新聞 より引用
河野氏は元々上記の再稼働に反対していたことから、総裁選で勝つために自分の主張を曲げた形になります。
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上でも言及しましたが、河野氏は非常に現実的な視点を持つ人物。時には持論を取り下げてでも実利を選ぶという点がまさにここに現れていると言って良いでしょう。
問題点としては、総裁選に勝つための一時しのぎにすぎないのではないか?という点。
河野氏が再稼働に舵を切ったからこそついてきた人も、総理の座を得た後にそれを翻したとなれば一気にアンチ河野に振り切れてしまうし、国民からの支持すら失ってしまいます。
とはいえ、河野氏自身が本当に政治で実現したいことは菅義偉総理の後任となるべく公約に挙げなかったモノ=再稼働を念頭に入れた発電所から脱すること、であるのは事実。
河野氏が自身の願望をどれだけ現実とすり合わせて政策に反映することが出来るのか、それが今後、河野政権が実現する場合の大きな課題と言えます。
菅義偉総理の次期総理ランキング2021
菅義偉総理の後任候補3人を今回紹介してきましたが、最後に現状の暫定次期総理候補ランキング2021を決めたいと思います。所謂ポスト菅に誰が一番近いのか、ということ。
ランキングの根拠は上の項目で解説した中身と、それにプラスして補足情報から判断していきます。それではどうぞ。
菅義偉総理の後任候補:次期総理ランキング2021No.1
現状の情報から推測すると、次期総理には河野太郎氏が半歩ほど近いでしょう。
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菅総理と敵対していたわけでは無いので菅総理を支持していた層、そして次世代を担う若手議員の票や河野さんが属する麻生派閥の票などを見込めるため、今回解説した3者の内では河野さんが次期総理候補ランキングTOPだという判断です。
日本経済新聞がテレビ東京と共同で今月27~29日に実施した世論調査で、新自民党総裁に適した人物を問う質問に河野大臣が16%の支持を得て1位になったと日経新聞が30日に報道した。石破元幹事長が小数点以下の僅差で2位となった。今月26日に最も先に総裁選出馬を宣言した岸田文雄元政調会長の支持率は13%で3位、菅首相は11%で4位だった。
上記の引用にある通り、次期総理に適した人物として直近の世論調査でも一位をとっていることから、菅総理がいないのならば、河野氏だろうという認識は一般にも広くある。
ただ、石破氏が2位につけているのが気になる所でしょうか。
菅義偉総理の後任候補:次期総理ランキング2021No.2
当サイトが今回まとめた3者の内、次期総理ランキングNo.2は岸田文雄氏です。
岸田氏は岸田派という自分をトップとする派閥からの票を得られる事、さらに二階幹事長にたいして好意的でない層からの票を見込める事、そして元々菅総理の対抗馬として戦った過去などから現政権に比較的反対する立場からの票がある。それ故の2位という評価。
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しかし、1日、平井卓也デジタル大臣は民放の番組で、総裁選で立候補を表明している岸田氏を支持することを明言しました。現職閣僚から支持を得られなかったことで、今後、菅総理の求心力低下は避けられそうにありません。
今回は河野氏に劣ると判断しましたが上記の引用にあるように、現職官僚から明確に指示を得ている等、やはり岸田氏もあなどれない。
菅義偉総理の後任候補:次期総理ランキング2021No.3
当サイトが今回まとめた3者の内、次期総理ランキングNo.3は高市早苗氏です。
これは高市氏が弱かったというより、河野氏と岸田氏が強すぎた故の順位。
岸田氏は河野氏が今回出馬したことで危うくなりましたが元々後任として最有力視されていた人物ですし、河野氏は菅総理が出馬する限りは自身の立候補はないとしながらその人気は常に高く「いつか総理に」という声は以前よりあった人物なので。
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また、ある報道によれば高市氏は初の女性総理に指先をかけておきながら、女性議員の支持を得られていないという報道があります。
野田さんと高市さんでは政治的なスタンスが違いすぎるとはいえ、女性首相候補について “無言” を貫く野田さんの態度が、まさに高市さんへの自民党女性議員たちの気持ちを如実に表わしていますよ」(前出・自民党関係者) 同性議員全員から支持されれば、首相就任も夢じゃないのに
高市早苗・前総務相 “総裁選出馬” にブーイング「女性議員の会合に来ない方」「女性が社会進出できない|Yahoo!ニュース より引用
理由としては高市氏が保守的な政治思想を持つゆえに、女性の社会進出へも慎重派であるから。これによって他の女性議員と溝が出来ているのだとか。
逆に言えばこの問題をなんとか解消できさえすれば一気に次期総理ランキングを駆け上がる事も夢ではないのですが……。
追記2021年9月7日
先月10日発売の「文芸春秋」で総裁選への立候補の意向を表明した高市氏は当初、立候補に必要な「推薦人20人」の確保が課題とみられていたが、菅首相の不出馬表明後、安倍氏が支援の意向を示したことで情勢が大きく変わった。
次期総理ランキングにおいて、河野氏や岸田氏の後塵を拝することになっていた高市氏。ここにきて、前総理である安倍晋三氏が彼女の支援を表明し、話題になっています。
今日のデザートはパイナップル。とっても美味しそう。 pic.twitter.com/1uYuJX2qmY
— 安倍晋三 (@AbeShinzo) April 28, 2021
とはいえ、これは予測されていた事態でもありました。上の項目でも説明した通り、高市氏は安倍氏の政治を継ぐ者として元々安倍氏に期待されており、アベノミクスの次、サナエノミクスを提案しています。
であれば今回高市氏が総裁選へ出馬するにあたり、安倍氏が菅総理の後任に高市氏を推すのは必然。いわば既定路線とすら言えます。
勿論、これで勝利が保証されるわけではありませんが、総理連続在任期間最長を誇る安倍晋三氏に支持されることは決して軽いことではありません。
日本初の女性総理の座に、より駒をすすめたといえるでしょう。たとえ今回総理の座を掴めなかったとしても、次に繋ぐことの出来る大きな一歩と言えます。
菅義偉総理の後任候補と次期総理ランキングのまとめ
菅義偉総理の後任が誰か?考えられる候補の内、2021年9月3日までに総裁選へ立候補する意向を表明した3名、岸田文雄、河野太郎、高市早苗(敬称略)に焦点を合わせ解説し、次期総理ランキングも独自に作成しました。
結果はここまで読んでいただいた皆さんには改めて言うまでもないでしょうが、概要をまとめるなら「河野太郎」がすごいってことです。
菅総理が立候補する限りは出馬しないと決めていた人気者がついに動き出した、期待されている方は多いのではないでしょうか。
とはいえ、今回当サイトが紹介し解説した議員以外にも自民党の石破茂氏など、まだまだ動向が読めない後任候補は存在します。
総裁選まであと少しですが日本の長を決める戦いから目が離せません。