2021年以降、次のアメリカ副大統領として注目を集めるカマラ・ハリス氏。
一部で囁かれる「日本嫌い」との噂。根拠はあるのでしょうか? それとも真っ赤な嘘?
既存の情報と照らし合わせてその真相を理由と共に解説します。
中国との癒着が危惧された夫が中国を“切り”、妻を選んだ真の理由にも迫る!
■カマラ・ハリスのプロフィール
Masks save lives. pic.twitter.com/ZvgjQsCQay
— Kamala Harris (@KamalaHarris) October 7, 2020
生年月日 1964年10月20日(56歳)
出生地
・アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
・カリフォルニア州オークランド
出身校
・ハワード大学(BA)
・カリフォルニア大学ヘイスティングス・ロー・スクール(JD)
前職 サンフランシスコ地方検事
所属政党 民主党
称号 Bachelor of Arts (教養学士) (ハワード大学・1986年) Juris Doctor (法務博士) (カリフォルニア大学ヘイスティングス法科大学院・1989年)
配偶者 ダグラス・エムホフ(2014-)
出典 Wikipedia
ジャマイカ出身の経済学者『ドナルド・ハリス』スタンフォード大学名誉教授と、インド出身の内分泌学研究者『シャマラ・ゴパラン=ハリス』博士との間に生まれたアフリカ系アメリカ人。
その出自から、アメリカ社会において隅に追いやられた人達の代弁者たり得ると自負しており、実際に期待されている人物。
なにせ、順当にいけばアメリカ初の女性副大統領。出自も併せて、時代の革新を予感させる人物であることは間違いないでしょう。
一方、ハリス氏に関して日本人としては中々無視できない噂も……。
■カマラ・ハリスは日本嫌い?
バイデン政権へ移行するに辺り、我が国の国民にとって最も気になるのは、やはり日本への影響。
ハリス氏の名前を検索してサジェストに浮上する「日本嫌い」という単語もそうした不安の結果と言えます。
しかし、これに根拠はありません。ハリス氏が明確に「日本嫌い」的な発言をした記録は確認できておらず、現状では警戒し過ぎる必要はないでしょう。
つまり日本嫌いは今のところ嘘(ガセ)と言って良いです。
ただ、仮にハリス氏が本当に日本が嫌いだったとしても彼女はあくまで政治家。それが何らかの利益に繋がらない限り、個人的好き嫌いを政治に持ち込むことはないと思われます。
その根拠として、現在協力関係にあるバイデン氏とは2019年まで対立していました。
バイデン氏が「人種間の問題を解決しない事に肯定的な議員達」と協力関係にあった過去を指摘し、テレビ討論会で批判を展開していたのです。
これは大統領選挙に向けて党の候補指名を争っていた時期の話であり、ハリス氏のルーツ的にも妥当な筋の批判でしたが支持獲得には繋がらず、結果彼女は指名争いから撤退することに。
その後バイデン氏の指名獲得が確実視されるようになった2020年3月ごろには態度を一転、バイデン氏の支持を表明。
.@JoeBiden has served our country with dignity and we need him now more than ever. I will do everything in my power to help elect him the next President of the United States. pic.twitter.com/DbB2fGWpaa
— Kamala Harris (@KamalaHarris) March 8, 2020
バイデン氏が次の大統領に選出されるよう全力を尽くすと発言されました。
そしてバイデン氏はハリス氏を副大統領候補として指名し、今に到ります。
人種、性別間の問題が複雑化している昨今のアメリカにおいて女性で黒人のハリス氏を重要なポストに指名することは己の支持層をさらに盤石に出来き、彼にとっても大きなメリットだったのでしょう。
一方ハリス氏にとっても女性初のアメリカ副大統領の地位、さらにその“次”へ進む為にも彼に付くのは必然だったと言える。
このようにメリットがあれば、たとえ嫌いな相手だろうが、かつて敵対した相手だろうが、笑顔で協力出来る、それが政治家です。
以上を踏まえた上で、改めてまとめると以下のようになります。
1 ハリス氏の日本嫌いに根拠はなく、嘘やガセと言って良いレベル。
2 仮に、内心で「日本嫌い」だったとしてもそれを表明する事にメリットが無ければ政治に反映はされず、日本にも影響は無い。
3 2は裏を返せばバイデン批判→バイデン支持に移行したように、メリット次第で「日本嫌い」的政策なり発言なりを取る可能性を示唆している。
4 とはいえ、現在その傾向(3)はないので当面は安心して良い。
追記:カマラ・ハリスのスーツを手掛けた日本人
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上の画像は2020年8月の民主党大会の様子をとらえた物。
この時カマラ・ハリス氏が着用されたスーツを手掛けたのは大丸隆平さんという日本人なのです。
カマラ・ハリス氏が日本嫌いでない根拠がこれでより強固になりましたね。
わざわざ嫌いな国の人間が造ったスーツを自分の晴れ舞台で着たいと思う人間はまずいません。
件の人物、大丸隆平さんについてまとた記事を新たに作成しました。気になる方はコチラを是非ご覧ください。
過去に日本嫌いと噂された副大統領
実は過去にも、日本嫌いと噂されたアメリカ副大統領が存在しました。
その人物こそ、オバマ政権において副大統領だったジョー・バイデン氏。
バイデン氏は2013年12月に安倍前首相が靖国神社を参拝したのを受け、国務省を通じてこれを非難しており、同声明文には「失望(Disappointed)」の文言を入れるよう指示したことが明らかになっています。
わざわざ文言を指定する程、強い反感を日本に持っていると解釈されました。
トランプ氏を批判する際には文脈上必要だったとはいえ、日本国憲法は我々(アメリカ)が書いたものだと発言されたこともあります。
事実と言えばそれまでですが、これを公言するアメリカの政治家はまず存在しません。
以上二つの理由から、バイデン氏が日本嫌いだと思われており、また今回の大統領選に勝利したことで不安に思う人が多いというわけです。
しかし、実際はこれにも疑問が残ります。なぜなら、上記の件以外特に目立った発言がないから。
そして、政策にそれを反映した前例もありません。
勿論今後の不安要素ではありますが2016年9月に行われた安倍前首相との会談では「日米同盟のさらなる強化が必要」と意見を一致させています。
故に靖国参拝への失望表明はあくまで韓国との関係を考慮した為であり、日本国憲法云々はトランプ氏をあげつらう以上の意味はない、とも考えられる。
個人的には日本嫌いなのではなく、日本を特別視していないだけだと考えています。
もし心底日本嫌いなのであれば折に触れて批判しているだろうし、もっとそうした噂が出てくるはずだからです。
バイデン氏にそうした執念深さは見られないので、これが妥当な結論でしょう。
■カマラ・ハリスの夫が中国より妻を選んだ理由
以前ハリス氏の夫、ダグラス・エムホフ氏が中国寄りの為、ハリス氏もその影響を受けるのでは?という懸念がメディア等で取り沙汰されました。
この根拠として、弁護士のエンホフ氏が契約を結ぶ国際法律事務所DLAパイパーが中国企業と緊密な関係にあり、元共産党幹部を雇用していたというのが挙げられます。
確かに先の懸念も納得できる根拠ですがその懸念は他ならぬエムホフ氏の手によって討ち払われました。
何故なら11月10日にバイデン陣営代表がエムホフ氏が件の弁護士事務所を退職すると発表したから。
ハリス氏が副大統領に就任する予定日の来年1月20日までには事務所との関係を全て打ち切ると明らかにしています(ちなみに8月から既に同事務所を休職中)。
国の中枢人物の家族が他国と強固な繋がりにあれば国民を不安にさせるし、ハリス氏の政治活動にも影をおとしかねない為、この判断は極めて正しい。
しかし、エムホム氏個人にとっては重要なビジネスパートナーを自ら切ったことになります。
妻のためとはいえ、今後もし離婚した場合、自分の人生に少なからず影響を与える決断ですがそれでも決行した真の理由とは何か?
アメリカ屈指の名門校、南カリフォルニア大学を卒業し、弁護士としても優秀な論理的思考を超越して“それ”を決断できた理由、それは……
So proud of you. ❤️❤️🇺🇸🇺🇸 pic.twitter.com/Orb1ISe0dU
— Doug Emhoff (@DouglasEmhoff) November 7, 2020
愛です。
……いや、冗談ではなく、マジで。
エムホム氏は愛妻家として知られており、上に引用したツイートでもわかるように常日頃から妻であるハリス氏との仲睦まじい様子をツイートされています。
本当に日頃から妻の事ばかり呟いていますし、概要欄(プロフィール)にはわざわざカマラ・ハリスの夫だと記載してる程です。ちなみにハリス氏は書いていません笑
自分の仕事を辞めてまで全力を尽くし、妻をサポートする夫。ある意味、彼らは新時代のモデルケース的夫婦と言えるかもしれません。
日本における政治家の妻を持つ夫
ちなみに日本にも政治家の妻を持つ夫がいます。それが東京都議会議員、後藤 なみさんの夫である中島 晃一郎さん。
妻が政治の道を志したのを契機に、それまでの会社を辞めて転職、週三日サラリーマンをしつつ家事に妻の秘書に、と政治家の妻を公私にわたって全力でサポートされています。
家事も育児も50:50と配分もフェアに決めて「これが当然」と言い切り、妻と一蓮托生で進むその姿はまさに日本のエムホム氏と言って良いでしょう。
ちなみに、現在は中島さん自身も足立区議会議員として政治活動中です。
まだまだ世界的に女性の社会進出は難しいとされていますが彼らのような関係の人々が増えればそれも良い方向に変化していくと希望が持てますね。