両面宿儺は実在した人間の伝説?現在に伝わる怖い話と正体に迫る!

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近年急速にその知名度を上げている怪異或いは鬼神、『両面宿儺』。

実在した人物がモデル? 日本書紀では悪鬼でも地方では英雄?

どの“顔”が真実、正体といえるのでしょうか?

ネットで囁かれる両面宿儺の怖い話、所謂“怪談”も併せて調査しました。

今回は遥か昔から現在にまで伝わる伝説、伝承からその正体に迫っていきます。

また、おまけとして「創作物における両面宿儺」も紹介。

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■両面宿儺(リョウメンスクナ)とは

TVアニメ『呪術廻戦』PV第3弾 より画像引用

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

※画像はわかりやすいイメージとして選択しました

『両面宿儺』、昨今急速に知名度を上げている怪異あるいは鬼神、時に英雄の側面すら持つ存在。

見方により様々な側面を持つ伝説上の存在ですがその性質こそ端的に“両面”宿儺を表している。

名前からも解るように宿儺の顔は二つあったとされています。前後の両面に。

顔が前後にある事からうなじはなく、一つの胴体に手足がそれぞれ二つずつ、計八本あったと。

また、ひかがみ(膝の裏の窪んでいる所)とかかとがない等、伝説で語られる宿儺の姿は奇怪という他ない。

物語のキャラクターと考えるなら間違いなく悪役の造形で、実際『日本書紀』においては紛れもない悪として登場します。

一方、一部地方においてはその限りではなく……それぞれの伝説、伝承の記述を比較してみましょう。

日本書紀での活躍

物語の悪鬼のイメージ

※画像はイメージです

両面の顔に二対四本の腕と足、強力な力を持ち、剣や四つの手で二張りの弓を操る怪物的人物。

飛騨国(現在の岐阜県北部)にありて朝廷に従わず、人々を虐げていた。

それ故、難波根子武振熊(なにわのねこたけふるくま)に誅伐されたという。

このように日本の歴史書では完全に悪として描かれている。

所謂『まつろわぬ民』。天皇に逆らった存在。

岐阜県の各伝承において

英雄のイメージ図

※画像はイメージです

日本書紀において宿儺が暴れていたとされる飛騨(岐阜県)には先の記述とは真逆の英雄的伝承が残っている。

以下に飛騨から美濃にかけて旧飛騨街道沿いにある宿儺伝承を少しだけ紹介します。

丹生川の伝承

奇怪な身体的特徴はそのままに身の丈十八丈の救世観音の化身と言われる。

宿儺の大きさを表している

十八丈は㎝に直すと5454cmmで54.54m! デカァァァァァいッ説明不要!!

また、日本書紀とは逆に天皇の命により、位山(高山市一宮町)の鬼「七儺」を、討ったともされる。

朝敵から一転観音様の化身であり朝廷の命を受けて鬼を倒すなど、神か英雄かという扱いです。

金山の伝承

飛騨の豪族である両面宿儺は武振熊命が自身を討伐しに来ると知り、金山の鎮守山に37日間留まり、津保の高沢山に立てこもったが打ち取られたとされる。

しかし、これには異伝があります。

念仏を唱えている

異伝において両面宿儺は出波平から金山の小山に飛来し国家安全・五穀豊穣を祈念して37日間大陀羅尼を唱え、高沢山へ去った

その後は討伐されることもなく、姿を現すこともなかったようです。

これに由来し、この山を鎮守山と呼んで村人が観音堂を建設、祭ったとされる。

丹生川の伝承とは違い、基本日本書紀の記述に沿っていますが異伝においては英雄か高僧のような扱いに。

関市下之保の伝承

奇怪な姿は共通。しかして丹生川の伝承に続いて正統派な英雄の扱い。

悪い目つきの龍

なんと高沢山の毒龍を制伏したと伝わっているのです。

龍討伐は神話の英雄にとって文字通り登竜門のようなモノ。

この地における両面宿儺は特にヒロイック。

佇む千手観音

毒龍討伐後は行基が伽藍を創建して千手観音の像を安置したという。

また千本桧(せんぼんひのき)宿儺が地に挿した杖が生い茂ったものとされる。

或いは飛騨より高沢山に移って後、観音の分身となったとも。

ちなみに『美濃国観音巡礼記』には日龍峰寺の開基を「両面四手上人」としているのだとか。

 

龍を倒して仏ともある種等しい位階まで至るなど、神話欲張りセットな内容。

それぞれ日本書紀とは大きな違いですが一体なぜなのか?

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実在と正体

謎の前に立ち止まる

結局両面宿儺とはどういう存在なのでしょう?

一方では悪鬼の如き存在、また一方では神か仏か英雄か。

実際のところその正体は明確にわかっていないというのが答え。

まず前提として、仏の化身で奇怪な体を持つ鬼神(英雄)はあくまで神話・伝承上の存在。

問題はそのモデルになった人物は実在したのか? ということ。

英雄のイメージ図

※画像はイメージです

これはおそらく実在したと思われます。

過去、王朝に従わなかった民族を異形に貶めるのは洋の東西を問わず行われてきたこと。

地を這う土蜘蛛

日本でいえばまつろわぬ民土蜘蛛などと呼ばれる者らの事を指し、彼らは実在した人間だったと言われています。

両面宿儺も、本来は実在した飛騨地域の有力者で英雄的な人物が正体なのでしょう。

大和王権が各地を平定する中、支配に抵抗した何者かが両面宿儺の正体

だから勝者側の視点で編纂された日本書紀では“悪役”であり、出身地域では“英雄”であると。

元になった誰かのお話に時を経て色んな伝承、信仰が混ざり合い、幾つもの側面――“顔”を持つ現在の『両面宿儺』が出来上がった。

勿論はるか昔の出来事、これはあくまで諸説あるうちの一つとご理解ください。

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■現在に伝わる怖い話とは?

怪談を話す人

元々両面宿儺は比較的マイナーな存在でした。

日本書紀の記述は少なく、伝承はまず地方民しか知らない。

現在は創作物の影響で世間に知られるようになりましたがそれもここ数年の話。

しかし、ネット歴が長い人はおそらくリョウメンスクナの怖い話により10年以上前から宿儺の存在を知っていたのではないでしょうか?

件の怖い話は2005年、2ch(現在5ch)に投下されました。

以下にそのストーリーを簡単にまとめてあります。

『リョウメンスクナ』

古い神社

建築業に就く投稿者が語る話。

投稿者が仕事で岩手県の古い寺院を解体していた時、仲間が本堂の奥で木箱を発見した。

木箱は古く黒ずんでおり、2m程の長さがあった

箱の件で連絡を取った元住職には「絶対に開けるな」と厳命されるもバイトの外国人二人が箱を開けてしまう。

箱の中には頭が二つ、足と腕が二つずつの計八本ある奇怪な姿のミイラが入っていた。

その後駆け付けた住職はミイラを目撃した投稿者とバイトの三人をお祓いする。

しかし、開けて関わってしまってはもう長生きできないと三人に告げる。

実際、直接木箱を開けた外国人二人は帰らぬ人となり、解体作業員三人も高熱で寝込み投稿者自身も釘を踏み抜き、足を五針縫う事に

カルト教団とその信者たち

後日、元住職の息子に話を聞いたところ、箱の詳細が明かされた。

件のミイラは大正時代にカルト教団が生み出したというのだ。

まずカルト教団は見世物小屋に出されていた特異な姿かたちをした人間を数名購入。

その人間達で蟲毒(複数の虫や動物を箱に入れ争わせ勝ち残ったものを神霊とする)という呪術を行った。

結果一人が生き残り、ミイラにした。こうして件のミイラ、つまりリョウメンスクナが生まれた

リョウメンスクナは国家を呪うために生み出され、教団の移動に伴い、日本各地で災害を起こしたという。

教祖が自ら己の生に終止符を打ったことで災害は沈静化、以後ミイラの居所は不明だったが今回見つかり、箱が開かれてしまった。

では、リョウメンスクナはどうなったのか?

現在、ミイラを持ち帰った元住職親子と連絡が付かない為、行き先は謎に包まれている・・・。

 

以上が両面宿儺(リョウメンスクナ)の怖い話でした。

ある意味、この怖い話が一般知名度を上げる先がけであったかも?

なにはともあれ、怪談なので安心してください。

しかし、もしどこかの神社やお寺で古い箱を見つけた際は、決して関わろうとはなさらぬようご注意を。

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■創作物における両面宿儺

最後は近年の創作物で描かれる両面宿儺をみていきましょう。

あなたのお気に入りの宿儺が見つかるかもしれませんよ!

呪術廻戦

TVアニメ『呪術廻戦』PV第3弾 より画像引用

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

今最も熱い両面宿儺といえばこの作品『呪術廻戦』

週刊少年ジャンプで連載中の人気漫画であり、2020年10月2日からアニメが放送されています。

同作品における宿儺は「呪いの王」とまで称される特級の存在で性質は邪悪その物。

正体は1000年以上前に実在した人間で、息絶えた後も二つあった腕の指20本が遺され、特級呪物(凄い力を持つ呪いの物体)として現存している設定。

それを「宿儺の器」、である主人公が取り込みストーリーが展開していく。

概ね日本書紀にある記述のまま、悪鬼としての側面を強調したデザインになっています。

作品自体もかなり興味深い内容で端的に言って面白い作品。

私は原作未読なのですがアニメの方は一話から追っています。

地獄先生ぬ~べ~

こちらも少年ジャンプにおける人気漫画に登場。

二つの顔と四つの腕を持つ大妖怪。基本的な外見の要素は伝承に忠実。

悪役なのもあり日本書紀のそれに準じている。

魔法先生ネギま!

巨大怪獣のように大きな姿で登場。この辺りは丹生川の伝承に似ている。

作中でもかなり強い存在。外見は腕が四つあるが顔は一つ。しかし鬼っぽいデザイン。

一応敵キャラとして登場したが「大鬼神」という扱いで邪悪とはいえない。

まとめ

1 両面宿儺はおそらく実在した人間がモデルだが明確に該当する特定人物は不明

2 勝者側の視点で編纂された日本書紀では悪役で、地元飛騨(岐阜県)においては英雄的伝承が現存していることから大和王権の支配に抵抗した地元の有力者ではないかという説がある。

3 両面宿儺をモチーフにした怖い話がネットに現存する。

今回の記事は以上になります。久しぶりに神話・伝承の存在を記事にいたしました。

当サイトは他にも同テーマの記事を投稿しておりますので、興味があれば是非。

それではまた次回!バイバイ!

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