「NARUTO -ナルト-」に見る!日本神話の神!その③

超人気漫画「NARUTO -ナルト-」に隠された日本神話のキーワードを解説する記事の3回目。

NARUTOは日本神話と深い関連性があり、とくにうちは一族の写輪眼の瞳術には天照やツクヨミ、ミスサノオなど、日本神話におけるビッグネームが名を連ねています。

今回はそのうち、天照と須佐能乎に焦点を当て、原典における天照大御神建速須佐之男命の伝承、NARUTO本編と日本神話の共通点について解説していきます。

記事の内容と関連する記事の紹介もしてあるので、是非最後までご覧ください。

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NARUTO(ナルト)にみる天照(あまてらす)

NARUTOに登場する天照という術は万華鏡写輪眼(まんげきょうしゃりんがん)という、うちは一族の中でも特に優れた人物が発現する写輪眼の上位種から使用可能になる黒い炎の事。

対象が何であれ対象が燃え尽きるまで消えないという、非常に強力な術。

日本神話における最高神を元ネタに持つにふさわしい納得の強力さであると言えるでしょう。

原典の天照大御神(アマテラスオオミカミ)

神話に興味がない人でも一度は必ず聞いた事があるだろう、日本人の総氏神とされる最高神にして太陽神、天照大御神(アマテラスオオミカミ)。

現在ではNARUTO以外にもゲームなどでよく名前を使われる為、そちらで知ったという方も多いのではないでしょうか。

天照大御神が祭られている伊勢神宮は全国でも有数の観光スポットであり日本で最も重要な聖地の一つでもあります。

現在最新の式年遷宮(2013年)がおこなわれた当時は平時を優に凌駕する神社仏閣ブームが起き、普段神社と縁遠い人も数多く参拝へ向かったとか。

余談ですが、当時私も伊勢神宮には参拝に赴きまして、日常では感じることの出来ない厳かな空気を感じることが出来ました。興味がありましたら是非一度、参拝されることをオススメします。

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NARUTO(ナルト)と原典の天照の共通点

NARUTOの作中で天照黒い炎であるのは恐らくアマテラスが太陽神である為、太陽=を扱う術を連想したのでしょう。

正直なところ、日本神話の天照大御神には直接的な武力に関する伝承はほとんどないため、原典との共通点はそのくらいしか見受けられません。

ただし、対象が燃え尽きるまで決して消えることのない炎というのはアマテラスという太陽神が持つ永遠性ルーツにしていると思われます。

というのも古来人類は太陽を信仰の対象にしてきました。日本ではアマテラスがそうですが世界各国、各民族で太陽は神格化されています。

有名なところで言うとエジプトの太陽神ラーがそうでしょう。ラーは日の出日中日没後姿の変わる神で夜は雄牛の姿船に乗り冥界を旅します

太陽の神格化された神であるから太陽の運行に関連して姿を変えるのです。

ギリシャのヘリオス等もそうですが基本的に太陽神は太陽の運行を現す伝説を持つ場合が多い。

一方、天照大御神は太陽の運行に関する伝説をほぼもっていません。

一応、弟の須佐之男命が暴れた結果、天照大御神が岩の洞窟に隠れてしまい、世界が闇に覆われた天岩戸(あまのいわと)伝説太陽の運行との関連性を示すものです。おそらく日食の事を後世に神話という形で残したエピソードでしょう。

とはいえ、ラーのように姿は変化しないし、神話のエピソードの一つという扱いなのでこれ以後定期的に岩戸に引きこもるなどという神話も存在していません。

以上の事からわかるのは天照大御神が変化、特にマイナスの要素を含む変化から遠ざけられてきたという事。

天照大御神はかつて名実ともに日本の頂点に君臨した天皇家の祖にあたる皇祖神。天皇の権威性を象徴する存在が頻繁に沈んだり姿を変えらえてはたまらない、ということだったと思われます。

つまり天照とは決して沈まない太陽ともいうべき存在であり、だからこそ一度火が付けば対象を燃やし尽くすまで消えない強力な術の永続性に繋がっている。

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NARUTO(ナルト)における須佐能乎(スサノオ)

写輪眼の上位種である万華鏡写輪眼の開眼者のみ使用可能。

左右の瞳で別々の能力を開眼していることが必須条件であると言われています。

巨大な力を誇る九尾をはじめとした尾獣にも匹敵する力を持つなど、まさに破壊神としてのスサノオの性格を反映した術と言えるでしょう。

ちなみに、おなじ須佐能乎でも術者によって形や能力は異なり、特に興味深いのがうちはマダラの須佐能乎の姿。

マダラの須佐能乎は二つの顔と四つの腕を持っています。これは須佐能乎というより、おなじく日本神話に登場する鬼神ともよぶべき存在、両面宿儺の特徴とそのまま一致します。

TVアニメ『呪術廻戦』PV第3弾 より画像引用

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

両面宿儺と言えば諸説あるものの、天皇家がトップの大和王権に従わなかった地方の有力者であるとされており、それ故に討伐されとされました。

柱間と敵対し、敗れたマダラに重なる部分があり、マダラには須佐能乎(英雄)両面宿儺(悪鬼)の二つの側面があることを神話になぞらえて表現していると考えられます。

神話における両面宿儺に関しては↓下の記事で詳しく解説しているのでよければご閲覧ください。

悪役とされる両面宿儺が地方では英雄とも呼ばれていた事、現代にまで伝わる都市伝説など興味深い情報がつまっています。

原典の建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)

建速須佐之男命とはイザナギが生んだ神であり三貴神の一柱。アマテラス、ツクヨミとは兄弟の関係にあります。

日本神話の中でもトリックスター的役割を担う神で破天荒でありながらも英雄的側面をも持ち合わせている

破壊を司る悪神としての側面蛇神から女神や民を救い出す英雄的側面。相反する正反対の性格をもつ神であり、これを二つの顔をもつと言い換えれば両面宿儺に通じるものも感じられます。

須佐之男の二面性は一説によると複数の神格を併せたため本来違う神が担う役割を一柱にまとめたから、ともいわれます。

NARUTO(ナルト)と原典の須佐之男の共通点

スサノオは葦原中国において八つの首をもつ大蛇、八俣遠呂智(ヤマタノオロチ)を倒し、女神櫛名田比売(クシナダヒメ)を助け、夫婦となります。

NARUTOにおいてはこの神話をオマージュした一連のドラマがあり、復活した大蛇丸うちはイタチの戦闘がまさにそれ。

この戦いの際、大蛇丸が「八岐の術」を使用、それにより出現した巨大な八体の蛇でイタチと対決。最終的にはイタチの「須佐能乎」「十拳の剣」で蛇の首を切り裂き本体である大蛇丸を突き刺して異空間に封印しました。

最早言うまでもありませんが大蛇丸=ヤマタノオロチ、須佐能乎=イタチ。それぞれ神話になぞらえてあります。

ちなみに大蛇丸を倒した十拳の剣神話においてスサノオがヤマタノオロチを倒した際に使用した剣の総称と同じ。

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