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「NARUTO -ナルト-」に見る!日本神話の神!その②

前回に引き続き

人気漫画「NARUTO -ナルト-」

作中の技等の由来である神話の神々に関して

解説を交えながら紹介していきます。

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NARUTO -ナルト-にみる神道VS仏教

写輪眼の能力には日本神話に登場する神々の名前が多くつけられています。

特にうちは一族の固有能力には日本固有の宗教である「神道」由来の神々の名前がつけられているのが特徴です。

写輪眼=うちはが神道系の神話を元ネタにしているのに対して、うちはマダラと敵対する初代炎影、千手柱間は仏教系をモチーフにしています。

それは彼の「千手」という姓や最大の術「仙法・木遁・真数千手」の姿からも明白。

なぜなら「仙法・木遁・真数千手」は九尾を遥かに上回る大きさの千手観音を呼び出して千本の腕で攻撃する術だから。

作中で永遠のライバルであったうちはマダラと千手柱間の因縁や闘いはその元ネタの宗教同士、つまり神道VS仏教という対立構造が反映されていたのです。

この対立構造は実際に過去、日本で起こったもの。NARUTOは一見わかりやすい少年漫画ですがその実、非常にうまい形で史実の出来事を反映させており、事実を物語として表すという手法だけをとってみれば最新の神話とすら言えるかもしれません。

ちなみに、史実における神道VS仏教は神道的世界観の神の血を引く物部氏に対抗し、海外から持ち込まれた仏教によってこれを凌駕しようとした蘇我氏の争い。

結果は蘇我氏=仏教の勝利。敗れた物部氏は滅ぼされ、これにより日本全土に仏教の教えが広まっていくことになります。

とはいえ、蘇我氏も100年程で滅ぼされ、最終的には現在のように神道仏教、さらにはキリスト教など、数々の宗教がまざりあい、不思議な共生状態を生み出しています。

NARUTOも同様に仏教=柱間が勝利したけれど時代の流れによって、うちはと木の葉の里は自然と混ざり合い、サスケとナルトの代以降、両者間で争う事はなくなりました。

桃太郎や浦島太郎など、昔話に教訓があるように最新の娯楽作品にもその裏側に史実の歴史や神話を踏まえた様々なメッセージがあります。これを知ることでより多くの作品をさらに深く楽しめるようになるでしょう。

TVアニメ『呪術廻戦』PV第3弾 より画像引用

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

ちなみに、現在ジャンプに連載中の呪術廻戦も日本古来の呪術というものをモチーフにしていることから両面宿儺という日本書紀にも登場する古い鬼神のような存在を扱っています。

こちらについても深く元ネタを解説している記事を作成しています。それがコチラ↓。

NARUTOを読んでその中に仕込まれた神話ネタに興味を持った方であれば楽しめる内容になっていると思うので、興味がある方は上の記事も合わせてご覧ください。

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NARUTO -ナルト-の写輪眼に宿る三貴神

上の項目で「うちは」は神道系だという話をしましたが、代表的なうちはの特別な力、写輪眼の多様な術の名前にその証拠を観ることが出来ます。例えばアマテラススサノオツクヨミなど。

先に挙げた術の名前は全て神道における神の名です。神の名を冠するだけあり、どれも強力ですが今回はその内の一つ、うちはサスケの兄、うちはイタチが使用した、

月読(つくよみ)の元ネタである日本神話の神、月読命(ツクヨミノミコト)に関して解説していきます。

日本神話におけるツクヨミ=月読命とは

黄泉より戻ったイザナギが禊を行って最後に生んだのが三貴神であるアマテラス、ツクヨミ、スサノオ

この三柱の神、特にアマテラススサノオは日本神話においてそれぞれ印象的なエピソードを有している一方、ツクヨミは非常に影が薄い神なのです。

実際、イザナギに夜の食国(おすくに)の統治を任せられて以後「古事記」においては一切出番がありません。

そして「日本書紀」の方には五穀、昼夜の起源に関わるも、悪しき神として登場します。

あるときツクヨミはアマテラスから

葦原中国(アシハラノナカツクニ)今の日本の国土の事に出向いてウケモチという神の様子を見に行くように言われ下界に降りて行きました。ところがなんと、ツクヨミを迎えたウケモチが口から米や魚、鹿等を出したのです。

これにツクヨミは汚らわしい激怒!

普通に考えて排泄物を出すところから食事を出されたのだから、ツクヨミの怒りもある程度正当性はある。とはいえこの神は「そういう神」であるため決して汚いと言う訳ではないのです

結果的に、ツクヨミの怒りは収まる事を知らず、怒りのままウケモチを剣で切り捨ててしまいました。

その報告を受けたアマテラスは当然激怒。「悪しき神である!」としてツクヨミと決別、それ以降顔を合わせないよう交代で天に姿を現すようになりました。

そのため昼」が生じたのだと言われます。

これは昼と夜、太陽が沈み月が輝くことの理由が神話と言う形で当時の人々にとって合理的に説明されています。

加えて、切り捨てられたウケモチからは牛馬、蚕(かいこ)、五穀が生まれ天にもたらされました。これはつまり人間が定期的に食物を得る技術を得たという事を神話的に現わしたお話なわけです。

上記の事柄によってツクヨミ農耕神の性格を持ち、の運行と暦を司るとされます。ですがウケモチを切り捨てる五穀神話古事記において「スサノオ」の神話として登場します。

一つの物語を二柱の神で共有しているようなカタチとなっており、理由としては元々一つの神の伝承が二つに分かれた、とも言われている。ツクヨミとスサノオが兄弟神であることを踏まえると興味深い所です。

NARUTOにおけるうちは一族といえば兄弟の絆が非常に重要な要素。この部分でも神話と重なる点があり、NARUTOという作品が非常に高い完成度をほこる事を再確認できます。

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まとめ

「NARUTOの作品内に隠された神道と仏教、二つの宗教の対立」や「写輪眼に名付けられた神、ツクヨミ」に関して解説した記事でした。今回の内容を簡単にまとめると以下の通り。

1.神道と仏教の対立構造はそのまま「神道=うちはマダラ」「仏教=千手柱間」の因縁に反映されている
2.写輪眼の瞳術ツクヨミの元ネタである月読命(ツクヨミノミコト)は最高神であるアマテラスとヤマタノオロチ退治で有名なスサノオの兄弟神でありながら固有の神話に乏しく、最も有名なエピソードもスサノオと共有している
以上。ざっと纏めましたが、詳細はここまで記事をよんでいただけた皆様には改めて言及することもないでしょう。もし、見落としなどがあると感じた場合は再び各項目から閲覧してください。

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