トーマス・バッハを貴族(男爵)と呼ぶのは何故?理由を3つ解説

トーマス・バッハは貴族ではない

第9代国際オリンピック委員会 (IOC) 会長『トーマス・バッハ』氏。

昨今様々な理由で話題になる人物ですがトーマス・バッハで検索すると検索候補に「トーマス・バッハ 貴族」「トーマス・バッハ 男爵」などと浮上してきます。

トーマス・バッハ氏は貴族なのか? 結論から言えばトーマス・バッハ氏は貴族ではありません

ではなぜ貴族呼びをされるのか、その理由を今回は解説する記事になります。

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トーマス・バッハを貴族(男爵)と呼ぶのは何故?理由1:『五輪貴族』から

まず前提として繰り返しますかトーマス・バッハ氏は貴族ではありません

ではなぜ貴族とよばれるのか、一つ目の理由はトーマス・バッハ氏が俗に五輪貴族とも呼ばれる国際オリンピック委員会(IOC)委員の一員(2021年現在会長)だからです。

トーマス・バッハは貴族ではない

トーマス・バッハ|Wikipediaより 画像引用

五輪貴族(IOC)の一員で会長だから、実際は違っても「トーマス・バッハは貴族(男爵)」と呼んだ。
勿論、呼んでいる側は「トーマス・バッハは貴族ではない」事を承知でしょう。

つまりはあだ名みたいなもの、という事。

香川県とうどん

雑に例えるなら、うどんの有名な香川県の出身だから、うどんにちなんだあだ名で呼ばれるようなものです。

ちなみに、IOC委員が五輪貴族と呼ばれるようになったのはそもそもIOCの創設者が『ピエール・ド・クーベルタン男爵』であったことに由来。

クーベルタン“男爵”と爵位が付いている事からも解るように、彼はフランス貴族出身の人物でした。

王様

そしてクーベルタン男爵が1894年に設立してから今に至るまでIOCには王族、貴族が在籍しており、彼らが運営するからこそ五輪貴族、と呼ばれるわけです。

一応、ことわっておきますがIOCにはトーマス・バッハ氏を筆頭に一般家庭出身の方も在籍しているので、貴族だらけというわけではありません。

とはいえ、歴代IOC会長をみてみると……

IOC歴代会長
1 ディミトリオス・ヴィケラス
2 ピエール・ド・クーベルタン男爵
3 アンリ・ド・バイエ=ラトゥール伯爵
4 ジークフリード・エドストレーム
5 エイベリー・ブランデージ
6 マイケル・モリス・キラニン男爵
7 フアン・アントニオ・サマランチ侯爵
8 ジャック・ロゲ伯爵
9 トーマス・バッハ

国際オリンピック委員会|weblio辞書より引用

トーマス・バッハ氏まで9代いるなかの半数以上、5人が貴族

組織の成り立ちや歴代会長の貴族率の高さを鑑みるに、本当に「トーマス・バッハは貴族(男爵)」と誤解をしている方がいても不思議ではないですね。

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トーマス・バッハを貴族(男爵)と呼ぶのは何故?理由2:実績や地位の影響

トーマス・バッハ氏が貴族扱いされる理由の2つ目として確かな「実績」がある事も上げられます。

上の項目でも触れましたがIOC(五輪貴族)の現会長であることも言ってしまえばこの実績に含まれるでしょう。

日本ではあまり知られていませんがトーマス・バッハ氏は1976年のモントリオールオリンピックのフェンシングフルーレ団体で西ドイツチームとして参加、見事金メダルを獲得
この時、同時に世界選手権も優勝となるなど、オリンピックを運営する会長として申し分ない実績を持っています。

また、引退後は弁護士としても活躍。
トーマス・バッハ氏本人の出身であるドイツ語は勿論の事、スペイン語・フランス語・英語が堪能のクァドリンガル(四か国語)としての能力を駆使し、長年IOCを実務の面で支えています。

トーマス・バッハの万能ぶりを示したイメージ図

さらにあの超大手スポーツ用品メーカーアディダス国際関係部局の責任者でもあり、過去フィリップ・ホルツマン株式会社(建設コンツェルン)の顧問やドイツ電機大手シーメンスの顧問、MANフェロスタール有限会社(鉄鋼)の顧問を務めるなどビジネスの方面においても圧倒的実績を誇っています

こうした華々しすぎる実績と得た地位などから貴族(社会的地位が高い)的存在としてみられ、トーマス・バッハ氏を貴族と呼ぶ、あるいは時に誤解させることに繋がりました。

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トーマス・バッハを貴族(男爵)と呼ぶのは何故?理由3:ワシントン・ポスト紙

トーマス・バッハ氏を貴族(男爵)と呼ぶ背景をこれまで解説してきましたがこれを一般に広く拡散するきっかけになったのがアメリカのワシントン・ポスト紙に掲載されたあるコラム

トーマス・バッハをぼったくり男爵としたワシントン・ポストのイメージ

このコラムは東京オリンピックの開催に否定的な内容であり、その中でトーマス・バッハ氏を「ぼったくり男爵」と称し、トーマス・バッハ=貴族(男爵)とする構図が世界的に拡散、日本でも話題になりました。

ではなぜ“ぼったくり”男爵と名付けたのか?

東京オリンピック2021

一連の流れとしては、現在オリンピックの開催は危険→なのにIOCはオリンピックを開催し各種ライセンスや放送権料で莫大な利益を得ようとしている!→お金にこだわっている→ぼったくり男爵!
……ざっというと以上のような文脈から「ぼったくり男爵」の呼称が誕生しました。

元々、トーマス・バッハ氏を貴族と呼んで扱う下地があることはこれまで解説してきましたがそれだけに、インパクトのある名称が誕生して一気に拡散されたというわけです。

FOX Sports Asia @FOXSportsAsia より画像引用

一方、トーマス・バッハ氏をよく知らない層にまで拡散したことにより、彼を冗談で貴族扱いする文脈を知らない方は「トーマス・バッハは本当に貴族(男爵)なんだ」、と誤解したでしょう。

というわけで改めて確認しておきますがトーマス・バッハ氏は貴族ではありませんので、ご注意ください。

トーマス・バッハはなぜ貴族の「男爵」扱いをされたのか?

気になるのはトーマス・バッハ氏をなぜ『男爵』としたのか、という点。同じ貴族扱いなら子爵でも伯爵でも公爵でもよかった中、なぜ男爵なのか?

トーマス・バッハ 男爵と呼ばれた男

Olympics@Olympics より画像引用

これは男爵について調べれば答えが見えてくるでしょう。男爵とはヨーロッパ諸国における貴族称号で最も下の位。そして、称号を自分の子供などに受け継ぐことの出来ない一代貴族の事でもある。

一代貴族になるにはなんらかの功績をたてることが必要ですがその点上の項目でも触れた通り、トーマス・バッハ氏は確かな実績があるので功績を建てて成りあがった貴族=男爵と呼ぶにふさわしい、という判断だったのだと考えられます。

つまりトーマス・バッハ氏が元々貴族出身でないことをしっているからこそ、敢えて『男爵』という位を選んで使用したと。ある意味でちょっとしたブラックジョークですね。

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トーマス・バッハを貴族(男爵)と呼ぶのは何故?理由を3つ解説:まとめ

この記事をご覧いただきありがとうございます。最後に今回の記事を簡単にまとめました。

・トーマス・バッハ氏は貴族(男爵)ではないが、『五輪貴族』ともよばれるIOCに所属していること、華々しい実績を保持していること等からあだ名的な意味で貴族と呼ばれることがある。

・また、そうした背景から生み出されたワシントン・ポストのブラックジョークによって、より「トーマス・バッハ=貴族(男爵)」という構図が拡散され、本当にトーマスバッハ氏を貴族だと認識する誤解も同時に広まってしまった。

まとめは以上。さて、では次の記事でも出会えることを楽しみにしています。バイバイ!

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